私は1年目の時、臨床経験7年目の先輩OTが、私のプリセプターでした。
今の私があるのも、その時の職場の先輩・同期のおかげだったと思います。
私は、回復期での社会復帰に向けた支援をしたいと思っていました。
今から15年以上前、まだ回復期病院は身近にはありませんでした。(あったけど、今ほどベッド数もありませんでした。)
リハ医を中心に、NS、リハ科、MSWと本当にチームで動いていた病院でした。
勉強会も、チームで参加したり、学会発表もチームでおこなったり、
専門職としての教育体制も考えられていたと思います。
病床数は少ないながら、毎週のように住宅改修に出かけたり、リハ医と職場の人の面談に同席したり、毎日朝と夕方のNSの申し送りには、MSWと共に同席し情報の共有をはかったり、設備は古かったけど、連携・社会参加について考えながら仕事をすることができました。
新人は必ず行う、症例検討会の準備は大変でしたが、学生の臨床指導を行う上では必要なことだったと思います。(新人の時に1回だけ行えばいいだけだったし。)
お互いの職種の専門性をみんなが理解して、新人を育ててくれていました。
理学療法士や言語聴覚士の先輩からも、たくさん教えてもらうことはありましたが、
どれも、作業療法の専門性や視点を理解した上でのアドバイスだったと実感しています。
私のプリセプターは、作業療法のいろいろなことを丁寧に指導してくれました。簡単に答えを教えるのではなく、常に、自分で調べて考えて、問題点を抽出して、プログラムを立案すること、評価を丁寧にすることを指導してくれました。
なので、ADLやIADLを視野に入れた機能訓練をすることはあっても、理学療法士との違いがわからなくなるなんて、全くなかったです。
理学療法士の先輩方も、「ここまでは、PTでやるからね。このさきは、作業療法士の仕事でしょ」と言って諭してくれましたし、その先のことでつまづいたら、プリセプターの先輩に相談しながら、臨床経験を積んでいきました。
何かの本?ジャーナル?で目にしましたが、作業療法士が理学療法士の真似事をしている?みたいに書いてあって、驚きました。でも、よく考えると似た相談は受けるなぁとも思いました。
なんで、そんな風になってしまったんでしょう。
理由は3つ4つ浮かびますが、なんとも言えません。
専門性の違いなんてそんなにないよ、気にしないよ、っていう人が多くならないで欲しいなぁと思いながら、日々の臨床をしていきたいと思いました。