高次脳機能障害と言っても、その症状は様々ですが、
頭部外傷等で、もともとは穏やかだった人が、怒りっぽくなってしまう
ということは、よくみられる症状だと思います。
自分のことは、たくさん話して、話が止まらないのに、
こちらの話は、ほとんど聞いてくれない。。。
話にまとまりがなくて、何の話をしているか、こちらが理解できなくなって
質問すると、イライラしてしまう。というような。
タイムスケジュールをお部屋に掲示して、時計を置いて、環境調整をします。
なるべく、夕方に作業療法を実施するように時間を組んで、
夕方に、一日の訓練内容を一緒に振り返って、日記?メモ帳?ノート?に
リハビリの訓練内容や昼ご飯のメニューなどを書き留めてもらいます。
昼のメニューをチェックして、理学療法士さんに、本日の訓練内容を聞いておいて、
一緒に答え合わせをする感じです。
答え合わせをして、「それは違う。そんなことはしてません。」
とイライラし始めてしまったら、
事実と異なっていても構わないと、私は思っています。
傾聴して、最後に、「私はこういう風にきいていたけど、わたしの聞き間違いかもしれませんね。」
といって、すこし、事実を教えてみます。
繰り返しているうちに、「あれ?わすれてるかも?」と気づきがでれば、
治療がうまくいってる証拠だと思います。
「心配なら、メモ帳に書いてみますか?」と声をかけてみるのもいいと思います。
イライラされたら、一度引いて、
次の介入の時に、また、声をかけてみましょう。
毎回同じ声かけをして、その時の言動をカルテに記載しておけば、日々の評価になると思います。
対応は全て、患者さんによって変わりますが、
最初から、事実をしっかり指導?教えて、修正させてあげなくては
と考えなくても、いいのではないでしょうか。
病院で仕事をしていると、発症・受傷から数か月で退院となります。
研修会等で、地域で仕事をしている方から事例報告を聞くと
年単位で、少しづつ変化していくものもあることがよくわかります。
病院勤務の私は、入院中の数か月間しか関わることがないけれど、
患者さん自身の気づきを促すには、どのような介入が効果的なんでしょうか。
動画撮影し、セルフモニタリングをしてもらったこともありましたが、
論文に載っているようには、上手くいかなかったこともあります。
全員が同じ介入が良いとは思いませんが、何を基準にして、
プログラム立案していけばよいか、日々考えていきたいと思います。